ちりめんとしらす
しらすをよく乾燥させたものがちりめんです。

「ちりめん山椒」の回に扱ったのは、ちりめんです。「そういえば、ちりめんとしらすって、どう違うんですか」と若手スタッフ。いい質問です。この二つは乾燥度が違います。まず、茹であげてすぐのものが「釜あげしらす」です。
それを乾燥させ、60%程度にまで水分を飛ばしたものが「しらす」で、さらによく乾燥させたものが「ちりめん」(あるいは「ちりめんじゃこ」)です。ちりめんは「縮緬」のことで、絹織物のちりめんに由来します。茹でた小さな魚を広げて干しているさまが、ちりめんに似ていることから、この名がついたようです。
「ちりめんじゃこ」の名は、「ちりめん雑魚(ざこ)」からきているという説もあります。しかし、おいしいし、「こいつを『雑魚』などと言うのは失礼だ」と思うこともしばしばです。しらす/ちりめんは、主としてカタクチイワシの稚魚です(時期によってマイワシの場合もあります。またイカナゴのしらす/ちりめんもあります)。カタクチイワシは、もう少し大きくなると煮干(片口煮干)として使われ、さらに大きくなったものはメザシになったり、イワシの香草パン粉焼き等のおいしい料理にもなったりします。そのうえ、アンチョビやニョクマム、ナムプラーの材料にもなる。いつも人類に寄り添って、多大な恩恵を与えてくれているお魚なのです。
しらすにせよ、ちりめんにせよ、ご飯の友にぴったりなだけでなく、この時期ですと、しらすをキュウリとワカメの酢の物にあわせるのもおいしいですね。ちりめんをゴマ油でいため、お醤油で仕上げたものを冷や奴やサラダに乗せたりしてもおいしい。趣が変わるだけでなく、栄養面でもお勧めです。
とくにちりめんは、よく乾燥している分、日持ちも釜あげしらすやしらすよりも長いですから(冷蔵庫で1週間前後)、常備しておくと何かと役に立ちます。紀ノ国屋では、京都・大松の白ちりめんも扱っています。雑味のない旨味をしっかり感じることのできるちりめんです。(F)














