ぼた餅とおはぎ


9月は夏の疲れを癒せ、という配慮からか、祝日が多くて助かります。また、お彼岸にもあたり、レジャーではなく、墓参に行かれる方も多いことでしょう。
お彼岸には春の彼岸と秋の彼岸があり、どちらも7日間あり、中日がそれぞれ春分の日、秋分の日です。この両日は太陽が真西に沈む日ですから、「西方浄土」の仏さまの世界と現世とが、最も近くなる日であり、この日にご先祖さまを供養すると、迷わず極楽浄土に行ける、と考えられたそうです。
そのお彼岸には、アズキ(小豆)を使った餡のお餅が備えられます。これを「ぼた餅」といったり、「おはぎ」といったりする。この二つは似ているけれど、微妙に違うものなのか、あるいは同じもので、呼び方が地域によって違うのか……などと考えていましたが、やっと納得のいく説明にたどりつきました。
春のお彼岸には、牡丹の花に春をなぞらえて、大きく丸くつくるから「ぼた餅」、秋のお彼岸には、秋の七草*でもある萩の花に秋をなぞらえてつくるから、小さめにし、長めにつくって、「おはぎ」というのだそうです。
こし餡かつぶ餡か、中がお餅かご飯か、などというポイントから区別していることもありますが、こちらは細かな作り方の話。そもそも牡丹の花に関係があるからぼた餅、萩の花に関係があるからおはぎ、ということを知るだけで、季節を楽しむ先人の心が伝わってくるようで、なんだか私はうれしかったのです。
紀ノ国屋にはアズキはもちろん、さまざまな種類の砂糖を取り揃えています。今年のお彼岸には、おはぎを手作りしてみてはいかがでしょうか。(F)
* 秋の七草=萩(ハギ)、薄(ススキ)、撫子(ナデシコ)、葛(クズ)、女郎花(オミナエシ)、藤袴(フジバカマ)、桔梗(キキョウ)














