めのは

めのは島根県の板わかめ・めのは

地方を旅すると、思わぬ食文化に出会って、うれしくなるときがあります。文化の多様性が楽しいのです。

島根に行ったときに驚いたのが、お茶うけに海草のようなものが出てきたことでした。伺うと「めのは」といい、板ワカメを焙ったものだといいます。驚いている私を見て、さらに島根の方が「え、そちらでは食べないんですか」と自分たちを再発見する。楽しい出会いです。

調べると、ワカメ(若布)は『出雲国風土記』(733年)にも登場するほど、昔からなじみのある食材で、刈り取ったワカメを水洗いし、板状にのばして干しあげたものが、「めのは」です。

昆布と違い、めのはは戻すのではなく、海苔のように焙って楽しみます。もみ海苔のように手でもんで、ご飯にまぜて食べたり、お茶漬けにしてみたり、という食べ方も一般的なのだとか。

さらに調べると、ワカメは神事にも登場する食材でした。和布刈神事(「和布刈」はメカリと読む。ワカメを刈るという意味)という行事があり、旧暦の元旦に、神職が海に入って、ワカメを刈りとります。

関門海峡に面する門司の和布刈神社と下関の住吉神社のそれが有名ですが、島根の日御碕神社でも、旧暦正月5日に行われており、1800年の歴史があるといいます。由緒ある行事と食べ物は、これからも大切にしたいですね。(F)