アカシア蜂蜜
アカシア蜂蜜(藤井養蜂場)。ニセアカシアの花の蜜です。
ニセアカシアの花。白い藤のよう。
ギンヨウアカシアの花。通称は「ミモザ」。
おいしく食べられる野菜は万にひとつの超エリートです(関連コラム)が、じつは花も似たようなものです。きれいな花を咲かせる草木は、古くから人間の手によって、世界を旅しています。
花の由来が、西洋と東洋の交流を示していることも多々あります。代表例がバラ。ガリカローズ、ダマスクローズなどの西洋の古典種に、中国のコウシンバラがかけあわされて、19世紀にモダンローズの時代を迎えるのですが、その裏には、たとえば十字軍が遠征のたびにバラの新種を中東から持ち帰るなどの歴史が隠れているのです。
こうした花の交流は近現代にも多数の事例があります。最近、街路樹として人気の花水木(アメリカヤマボウシ)は、もともと尾崎行雄・東京市長が明治45年(1912年)に姉妹都市となったワシントンに桜を送った返礼として、アメリカから贈呈されたDogwoodの木です。
アカシアも、北アメリカ原産のマメ科ハリエンジュ属の落葉高木です。日本に輸入されたのは花水木同様に明治時代のこと。きれいな花が咲くだけでなく、その蜜は極上で、アカシア蜂蜜は上品な香りと淡白な味わいが特徴のハチミツです(関連コラム)。
日本に上陸してから100年以上が経過したいま、アカシアの身にかわいそうな出来事が二つ起きています。ひとつは、ギンヨウアカシア、フサアカシアなど学問上「アカシア属」として分類される植物が入ってきた瞬間、「ニセアカシア」という不名誉な名前に変更されたことです。
もうひとつは、その植生から「侵略的外来種」として扱われ、各地で伐採されるようになったことです。これについては、養蜂家を中心に反対運動も起きていますが、学術的な知見に基づいた冷静で慎重な議論をしていただきたいものだと思います。
一方、ニセアカシアは中国にも普及しており、大連市では市花となっています。日本の養蜂家たちは安全で豊富な蜜源(花々)を求めて中国にも進出し、アカシア蜂蜜を作り続けています。














