アンズ(杏)
生のアンズ。ジャムやコンポートをつくってもおいしい
アンズの実り。ウメと似た結実です(長野県松代市にて撮影)。
梅雨時に実るものの代表といえば、やはり梅です。いや、ちょっと意味のないことを書いてしまいました。梅が実る時期の雨だから、梅雨なのです。
梅が結実するということは、他のバラ科の作物も実りをつける、ということです。だから梅雨はフルーツが豊富。サクランボやモモが、じとじとした雰囲気を明るくしてくれます。
生食用としては、あまりメジャーなフルーツではありませんが、同じくバラ科のアンズも、この時期に実りをつける作物です。英語名はアプリコット(Apricot)。どこか甘酸っぱいイメージの名前ですが、実際、かなり酸味が強いフルーツです。
そのため、加工用に回されることが多い。アンズのジャムや焼き菓子は、とても人気があります。酸味が強いフルーツほど、加熱すると変身するところが、おもしろいですね。果実酒にもよく使われます。
アンズは「杏」と書きます。「杏仁豆腐」を思い出した方は、けっして間違っていません。もともとの「杏仁」は、アンズの実を割って、中の「仁」を取り出したものであり、漢方薬でした。それを豆腐のように加工したものが、杏仁豆腐のほんとうの姿です。
杏仁は、薬としてかなり効果が高いようです。効果がある漢方薬は、西洋医学のクスリと同様に、副作用の心配もしなくてはなりません(漢方薬に副作用がない、というのは妄信です)。興味があっても、医師の処方を待って摂取するようにしてください。
現在、杏仁豆腐は、食して安全なアーモンドエッセンスからつくられています。杏仁の代用になぜアーモンドか、と思いますが、じつはアンズもアーモンドもバラ科サクラ属の植物で、とくにビターアーモンドは風味が似ているのです。(F)














