イクラ
標津(しべつ)で丁寧に処理された本物のイクラ
ご飯にのせるだけで、そこは北海道
「オクラ」は日本語だと思っていたら、原産地の北アフリカ方面でされるトウィ語でした。ひょっとすると、「イクラ」も外国語源ではないかと調べてみると、やはりそう。イクラは、ロシア語で「魚の卵」を意味する言葉です。
イクラは、異文化間交流で、普通名詞を固有名詞だと誤解したひとつの例でしょう。本来は魚の卵全般を指す言葉で、「黒いイクラ」といえば、キャビアを指します。大正時代に日本人がその製法をロシア人から学んだとき、鮭の卵をほぐした「赤いイクラ」を、固有名詞の「イクラ」として理解したのでしょう。
いまでは、代表的な北海道の秋の味覚となりました。イクラと鮭で「親子丼」と呼んだり、寿司ネタになったり、和食にすっかりなじんでいます。
最近は、「とくに好きじゃない」という人も目立つように思いますが、ひょっとすると、本物のイクラを食べたことがないせいかもしれません。
昆布から抽出したアルギン酸ナトリウムという添加物を色素で染めて、カルシウム溶液に落としていくと、それだけでイクラもどきが完成します。中の目玉は真っ赤に染めたサラダ油でつくります。
こうした人工イクラだけでなく、膨張剤で新鮮に見せたイクラや、何度も冷凍と解凍を繰り返して、鮮度の落ちたイクラなども出回っています。「好きじゃない」と決めつける前に、鮮度のよい「本物」を探して、食べておくべきかもしれません。(F)














