コショウ(胡椒)


カレーが象徴するように、インドはスパイスの王国。それは古代より知られており、古代ローマの金貨が多数、インドに流れていました。香辛料の買いつけのためです。
なかでも人気が高かったのは、コショウです。古代ローマ以来、ぜいたくな食卓を表現するために用いられた表現は、「コショウがたっぷり」でした。ふんだんにコショウが料理に使われていることが、財力を示していたのです。
コショウには黒コショウと白コショウがありますが、この二つはコショウ科のツル性植物の同じ実です。完熟の手前で摘むと黒コショウとなり、完熟してから収穫し、水につけて外の皮をむくと白コショウとなります。
黒コショウは牛肉と相性がよく、白コショウは魚料理にあう。それだけでなく、コショウには強力な殺菌・抗菌作用があるため、食料の保存のためにも用いられました。その香りが食欲をそそり、味をひきしめ、料理が腐敗するのを防ぐ魔法のスパイスだったわけです。とくに大航海時代の船乗りにとっては、とても貴重なスパイスだったといいます。冷蔵技術が未発達だったため、塩とコショウで食品を保存し、積んでいくほかなかったからです。(F)














