サトイモ(里芋)


サトイモが収穫期を迎えています。ミクロネシアでよく作られているタロイモの仲間で、野ではなく、里で作られるからこの名がついたそうです。原産地はインドからマレー半島にかけての南アジアで、日本には縄文時代に伝わったといわれる、つきあいの長い野菜です。
その葉には細かな毛が生えていて、水をはじくことから、お供え物などで皿代わりに使ったりもします。品種によりますが、茎も食べられます。これが、ズイキ(芋茎)です。高知県の特産品であるハスイモは、根茎を食べず、茎だけを食べます。
ハスイモは、茎の色が青いので青茎といわれます。ほかに白茎と赤茎があり、サトイモの味では、赤茎が勝りますが、栽培しにくいという難点があります。紀ノ国屋が扱っている岩手県北上市二子町の二子里芋は、300年にわたって作られてきた赤茎の里芋です。
サトイモは土の中で親芋から子芋、孫芋と連なってできるので、子孫繁栄のシンボルでもありました。もともと中秋の名月にサトイモをお供えしたのは子孫繁栄を願ったからであり、団子はサトイモの代替だったのです。
品種によって、1)親芋を残し、子芋を食べるものと、2)親芋も子芋も食べるもの、3)親芋のみを食べるものがあります。1)の代表格が石川早生と土垂(どだれ)で、衣かつぎ(衣被)に最適と言われるのが石川早生です。2)の代表格がセレベス、八頭(やつがしら)、海老芋(えびいも)です。3)にはたけのこ芋と田いもがあります。
衣かつぎは品種名ではなく、子芋を皮のまま茹でて、塩で食べる食べ方をいいます。「衣被」とは、ベールのように女性が頭と顔を隠すのに使った布のことをいいます。皮をもって指で押すと、中身が飛び出ますが、そのさまをなぞらえたもの。おもしろいですね。
サトイモはおいしいけれど、下ごしらえが大変。とくに厄介なのは皮むきですが、サトイモの皮は鬼皮と渋皮のあるクリのような2層構造になっています。水の中でタワシやアルミホイルを丸めたものでこすり、外側の皮だけを剥くと、ヌメリも出にくく、おいしさも増し、かつ残る栄養価も高いそうです。(F)














