チーズと熟成

チーズと熟成チーズ熟成士エルベ・モンス氏が熟成させたチーズの数々

その昔、チーズといえば、ウィンナーのような形をしたものや、ケーキカットのように扇形に切れているものばかりでした。

一方で、アニメ『トムとジェリー』に、穴のあいたチーズが出てくるのを見て、「こんなチーズ、見たことがないなぁ」と思っていたものです。同じチーズでも、かなり見た目も、味わいも違うものがあることに触れたのは、大人になってからのことでした。

スイスのエメンタールを見て、即座に「ジェリーの好物はこれだったのか」と思いました。ほかにも、柔らかかったり、カビが生えたりしているチーズを見て、正直、びっくりしたものです。きっと子どものときにあったとしても、食べられなかったに違いありません。

子どもの頃になじんでいたチーズがプロセスチーズで、大人になってから出会ったチーズがナチュラルチーズです。ナチュラルチーズは、生きていることが特徴。時間の経過とともに、味わいが変わっていきます。

その秘密は、身のまわりにある乳酸菌や、ミルクの頃から含んでいる酵母の働きが続いているからです。ブルーチーズや白カビチーズは、カビをわざわざ植えつけて、その働きを利用します。日本でも、鰹節にカビを利用する技術がありますが、基本的にはそれと同じです。

「カビなんか生えていて、食べても大丈夫なのか」と思ってしまいますが、ブルーチーズはなんと、紀元前1000年頃から食べられているチーズです。長い人類の歴史が、安全を証明しています。