パスチャライズ牛乳
生乳の風味と栄養成分をそのままに楽しめるパスチャライズ牛乳
日本の牛乳売場は、欧米のそれとはちょっと違っています。
どこが違うかというと、欧米で主流の低温殺菌牛乳(パスチャライズ牛乳)が少数派で、欧米では長期保存用として売られているロングライフ牛乳(超高温滅菌牛乳)が多数派を占めていることが多い、ということです。
言うまでもなく、牛乳からチーズがつくられます。そしてナチュラルチーズであれば、時間とともに熟成していくのですが、なぜ熟成するかというと、牛乳に含まれる酵母や自然界に存在する乳酸菌が作用するからです。
超高温滅菌牛乳は、牛乳に圧力をかけ、120度くらいまで熱してすべての菌を殺した牛乳です。長期保存にはぴったりですが、ここまでくると立派な加工品です。そのうえ、牛乳に含まれるタンパク質やカルシウムが熱で変成してしまい、人間が飲んでも吸収されにくくなりますし、酵母や乳酸菌などの「有用な菌」も一緒に死滅してしまいます。
一方、フランスの細菌学者ルイ・パスツールが、安全にミルクの恵みを味わえるように、低温で殺菌する方法を開発しています。63度で30分間、もしくは72度で15秒間の加熱をします。
この方式を、開発者の名にちなんで「パスチャライズ」と呼んでいます。牛乳の性質を損なうことなく、有害な病原菌のみを殺します。「ナチュラル」「フレッシュ」と呼べるギリギリの加工が、低温殺菌なのです。
パスチャライズ牛乳なら、タンパク質、カルシウム、ビタミン類に酵母・乳酸菌などの「ミルクの恵み」をそのまま吸収することができますし、お腹もゴロゴロしにくいのです。
おいしいパスチャライズ牛乳をつくるには、質の高い生乳を用意しなくてはなりませんし、加工乳から加工乳を再生産するような工夫ができませんから、コストも高く、したがって価格も高めです。しかし、その価格差を補ってあまりある魅力をもつのが、パスチャライズ牛乳なのです。(F)














