フードファディズム

カボチャもタマネギもジャガイモもニンニクも、栄養面では注目度が高い野菜です。しかし、過剰な期待は禁物。フードファディズムに陥ります

フードファディズム」は、耳慣れない言葉ですが、このコラムの基本的な考え方を知っていただく上でも、ぜひこの概念をご紹介しておきたいと思っていました。

ラッキョウの話(関連コラム)で、ラッキョウが漢方に用いられるということを書きましたが、だからといって、「ラッキョウを食べると健康になる」「病気がなおる」ということではありません。

特定の食材・食品を摂取することで、病気がなおるとか、格別に健康になるといった過剰な期待を寄せることを、フードファディズムといいます。もちろん、栄養素や食物繊維の摂取という意味で「食べること」はとても重要であり、どんなものを、どのように食べるかが、健康維持と密接に結びついていることは事実です。

しかしながら、それは健康を維持するとか、快活に過ごすための身体的コンディションを整えるという意味において関係しているのであって、病気をなおすという話になると、まるでレベルが異なってきます。

毒をうすめると薬になったりするように、薬というのはそもそも劇的な変化を招くものであり、分量を間違えると毒になってしまう「薬」が、数多くあります。対して、食品はあくまでも食品で、劇的な変化があるとすれば、せいぜい汗をかくことくらいです。

タマネギはたしかに血液をサラサラにする効果をもつ成分を含んでいますが、それを薬のように効かせようとすると、一回に50kgほど食べなくてはいけないそうです。とても、食べきれる量ではありませんよね。

「健康維持に寄与する食材」は多数あります。しかし、摂取する分量の問題(その食材・食品が含む有効成分の量の問題)もありますし、食べるものが偏ってはかえって病気のリスクを高めます。知らずのうちにフードファディズムに陥っていないか、反省してみる必要がありそうです。

安全・安心な食材を選び、特定の食材・食品に偏らず、好き嫌いなくバランスよく食べること。それに尽きると思います。(F)