ポン酢

ポン酢

ポン酢

ついこの間まで、残暑が厳しいと思っていたのに、ついに木枯らし一号が吹く季節となりました。こうなると、やっぱり鍋であたたまりたいですね。
鍋ものをおいしく食べるには、ポン酢にもこだわりたいところ。ところで、なぜ「ポン酢」というのでしょうか。「ポンジュースとも関係があるのかな」と思った方は大正解。ポルトガル語のPom、またはオランダ語のponsが由来といわれています。ponsが「ポン酢」と書かれるようになった、という説もあるほどです。いずれも柑橘類の果汁を意味します*。
愛媛のポンジュースは、昭和27年(1952年)の誕生の際、「日本一」になるようにという意味で愛媛県知事(当時)の久松定武氏が名付けたそうです。それだけでなく、柑橘果汁を示すPom/ponsにひっかけたのだといいます。
ただ、正確には、「ポン酢」はユズ果汁やレモン果汁のように、「酢として使える柑橘類の果汁」と理解するべきです。一般的に流通しているのは、すでにお醤油やだしとあわせたものであり、こちらは「味付けポン酢」となります。
いろいろな味付けポン酢が発売されていますが、お勧めは、化学調味料無添加のものです。きちんと天然のだしを使って作られたもののほうが、やはり香りがよく、かつ、素材をひきたてます。

味付けポン酢のおいしさで食べるのだとしたら、それはやはり本末転倒。ポン酢は、素材のおいしさを引き立てる脇役であってほしいところですね。力のある紀ノ国屋の食材と化学調味料無添加のポン酢で、冬の食材のおいしさを存分に味わってください。
ご自分で作るのも、楽しいですよ。お気にいりのお醤油と柑橘類の果汁、それにみりんを5:5:1くらいの割合であわせたところに、昆布と鰹節を入れて一昼夜おきます。これを漉して、数か月寝かせると完成です。
寝かせることで、柑橘類の酸味の角がとれてまろやかになります。そういえば、小さい頃は市販の味付けポン酢を使わず、裏庭のユズをとってきて、お醤油に絞って食べていたことを思い出しました。香りは抜群でしたが、ちょっととがった味がしたもの。あれは寝かせたものを使えば、よかったのですね。(F)

* ponsの語源はサンスクリット語で「5」を意味するpancに由来し、「5種類のものを混ぜ合わせた飲み物」を意味し、スピリッツに砂糖、レモン汁、スパイス、水(紅茶)を混合した飲み物を指していたようです。そこから、お酒と砂糖とスパイスが抜けて、日本に広まったという説もあります。 なお、このpancはフルーツポンチの「ポンチ」(パンチ)の語源でもあり、上の飲み物にフルーツをいれると出来上がります。もっとも、最近ではスピリッツではなく、ソーダ水などを使いますけれどね。これを赤ワインにするとサングリアになるわけです。