レモン(檸檬)

レモン

レモン国産レモンの実り

レモンレモンの花。とてもいい香りがします。

柑橘類は、温州ミカンやグレープフルーツに代表されるように、とても身近なフルーツです。なかでもレモンは果汁がジュースになり、アメになり、紅茶や料理に添えられるほか、果皮もレモンピールとなって洋菓子などに活躍します。サンマの塩焼きにはスダチが活躍しますけれど、ないときはレモンで代用してもいい。なかなか使える果物です。ホワイトアスパラガスのオランデーズソースにも使いました。

レモンはインド北部(ヒマラヤ)原産のミカン科ミカン属の植物。暖かい地方で育ちます。日本でも静岡県や和歌山県など、ミカンの産地でつくられています。国産レモン農家の中には、ポストハーベストの心配がないことをセールスポイントにしているところがあり、紀ノ国屋でも良質の国産レモンが入手できるときは、取り扱っています(国産レモンは、夏がシーズンオフです)。国産ものがない場合も、無添加の輸入レモンも置いていますので、レモンピールなど、果皮も食べたいというときには、こちらを選択していただくといいでしょう。

日本人にとってのレモンは、いいイメージがありますが、英語におけるlemonには、あまりいいイメージがありません。見た目はいいが、いざ乗り出すと故障ばかりする中古車を、レモンカーと言ったりするくらいです。 このことから、経済学の分野では、「レモン市場」 (lemon market) を研究した論文があったりします*1。レモン市場とは、故障が隠された中古車のように、いざ買ってみるまではその品質がわからないために、結果として不良品ばかりが出回ってしまう市場のこと。なぜそうなるかというと、売り手が品質の低いものでも、なるべく高く売ろうとするのに対して、買ってみてからの故障の多さに痛い思いをした買い手が、以後は安いレモン(中古車)しか買わなくなるからです*2。

「食品業界もうっかりすると、似たことになる」と身が引き締まります。高い品質を保つ努力をすこしでも怠ると、紀ノ国屋もレモン市場になってしまう。「食べてみたけれど、やっぱりおいしいわね」とこれからもお客様に言っていただけるように精進を続けてまいります。(F)

*1 Akerlof, George Arthur.1970. The Market for 'Lemons': Quality Uncertainty and the Market Mechanism. Quarterly Journal of Economics,
*2 これを「情報の非対称性がある」といいます。売り手はよく中身を知っているけれど、買い手は中身についての情報をもっていないという場合です。