京野菜が特別な理由
伏見トウガラシ
伏見トウガラシの味噌炒め
最近は東京でも、京野菜をよく見かけるようになりました。九条ネギやミズナ(水菜)、金時ニンジン、賀茂ナスにエビイモ(海老芋)などです。京都では、こうした野菜を古くからの年中行事と共に、食べてきました。
どうも、京都の野菜は他の地域のそれに比べて、何か特別な感じがします。そもそも、変わった種類のものが多い。これには、理由が二つありそうです。第一は、長く(794年から1869年まで)京都が日本の首都であったこと。首都には、外国からの使節が「珍しいもの」と一緒にやってきます。すなわち京の都が、外国の文化および作物の受け入れ窓口として機能していたということです。
第二は、そのころから多くの人が住む「町」だった、ということです。人が住めば、畑がつくられ、土地が肥沃になります。この環境に、京の人たちの心意気が重なって、珍しい野菜が現代にまで受け継がれているのでしょう。
京野菜の種類が多いのは、なんといっても冬ですが、夏もナスとトウガラシに特徴的なものがあります。まん丸い賀茂ナスや伏見トウガラシなどです。紀ノ国屋でも扱っていますので、ぜひ食卓に取り入れてみてください。
伏見トウガラシは、もちろん唐辛子の仲間ですが、辛くはありません(似た形をしている青トウガラシは辛いので、ご注意を)。さっとゴマ油でちりめんと炒めたり、味噌と醤油で炒めて味を含ませたり、おダシで炊いたりしていただきます。彩りもいいし、子どもも安心して食べられる野菜です。
唐辛子はブラジル原産で、天文11年(1542年)にポルトガル人が伝えたといわれる野菜です。とても交雑しやすい植物なので、いろんな品種ができる一方で、「種を守る」のも大変な作業だったりします。伏見トウガラシ以外にも、たとえば「田中トウガラシ」と呼ばれる種を守り続けている方がいらしたりするのが京都です。田中トウガラシは現在の京都市左京区田中でつくられていたトウガラシで、その先端が獅子の口のような形をしているので、「シシトウ」というニックネームで呼ばれています。(F)
伏見トウガラシの味噌炒め
1. 伏見トウガラシは3cm長くらいに切っておく。
2. フライパンを熱し、ゴマ油で伏見トウガラシを強火でさっと炒める。
3. 味噌:醤油:みりんを、1:1:1の割合であわせて加え、弱火にして味を含ませる。
4. 盛りつけて、花カツオをふんだんに飾る。














