凍り豆腐(高野豆腐)

凍り豆腐膨軟剤を使用せず、昔ながらの製法で作られた凍り豆腐(カドヤ)。熱湯で戻して使います。

食材を干すことは、塩漬と並んで古くから人類が編み出した食品の保存方法です。干すのは、生鮮食品だけではありません。日本では(中国でも)、豆腐も干したのです。それが、凍り豆腐です。

とくに関西圏では、高野山で多く作られたことから、「高野豆腐」の名称で親しまれている食べ物です。

冬場の凍てつく寒さのときに、豆腐を屋外に放置してしまい、その製法を偶然発見した、と言われています。いやしかし、そう簡単なものでもないでしょう。豆腐が凍ったのは偶然としても、それを利用して加工食品にしたてあげるまでは、いろいろな創意工夫があったに違いありません。

伝統的な製法では、しっかり水切りをした木綿豆腐を冬場の屋外に放置し、水分が抜けるのを待ちます。夜になると凍りつき、昼間には溶け出すということを繰り返すうちに、氷ができた部分が空洞となり、スポンジ状になるのです。

時代が下るにつれ、意図的に凍結させて、数日間熟成した後、解凍して天日干しする製法が編み出されました。もちろんいまでは、冷凍庫と機械乾燥が導入され、いつでも大量生産できるようになっています。