切り干し大根

切り干し大根切り干し大根。さっと戻せば使いみちいろいろ

郷里からキュウリやナスなど、自家菜園の野菜が送られてきました。なるほど! 当たり前のことですが、普通に野菜を育てると、一度にたくさんできてしまうわけです。

冷蔵庫も冷凍庫も、ビニールハウスもない時代には、たくさんとれた野菜をどうやって長持ちさせるかが、重大な関心事だったことでしょう。たどりついた方法論は、基本的に二つです。

第一は、漬けること。塩漬にして発酵させ、乳酸菌などの力を借りて長持ちさせます。日持ちするだけでなく、発酵によって新たな風味が加わったり、タンパク質が分解されて複雑な旨味が加わったりするなど、おいしくなる効果もある素晴らしい方法です。

江戸時代にはぬか床が発明され、漬物技術がさらに発展します。冬場の塩漬、夏場のぬか漬を使い分けて、野菜を長く楽しんだわけです。

そして第二は、干すこと。干物といえば魚やイカの保存をまっさきに思い浮かべますが、野菜も干して長持ちさせました。その代表格が切り干し大根です。

意外なことに、その見かけと違って栄養価も高い。干すことで凝縮されることもあり、食物繊維が豊富ですし、カルシウムや鉄分、ビタミンB1、ビタミンB2を同量の生の大根に比べ、はるかに多く含みます。生の大根と比べて劣っているのは、ビタミンCと消化酵素のジアスターゼくらいのものです。