地ビールの日
青空とバーベキューブロックと地ビール。言うことなし!
上面発酵ビールの醸造設備。下面発酵ビールは低温を必要とし、設備がこれより大がかりになる
4月23日は地ビールの日(日本地ビール協会制定/1999年)です。いまから約500年前のこの日、ドイツでビール純粋令が発令されたことにちなんでいます。
ビール純粋令は、1516年4月23日にドイツ・バイエルン公国のヴィルヘルム4世がビール醸造業者に向けて布告した法です。「ビールは、麦芽、ホップ、水、酵母のみを原料とする」というもの。
この法には、二つの目的があったといいます。第一はビールの品質向上、第二は小麦の使用制限です。後者は、食料確保が目的でした。小麦がビールにまわって、パンに回らないことを恐れたのです。
この法律は、1907年にドイツ全土に適用され、1987年まで継承されていたというから、驚きです。たしかにビールの「基礎」となった法であり、4月23日を記念日にしたくなるのもわかります。
日本では明治時代に一度地ビールブームが起き、紹介されたばかりのこの飲み物をつくる醸造所が全国に次々と登場しました。その後、淘汰され、戦争があり、大手ビールメーカーに集約されていくのですが、1994年4月の酒税法改正により、再び地ビールブームが巻き起こって、今日にいたっています。
地ビールの魅力は、「製法が異なることによる個性」にあると思います。ビールは、大麦の麦芽中に含まれる麦芽糖にビール酵母を加えてつくります。酵母の働きで、アルコールと炭酸ガスを含む液体に変わるのです(ホップは香りと苦みをつけるために用いる、いわばスパイスです)。
利用するビール酵母の種類によって、エールビールと呼ばれる上面発酵ビールとラガービールと呼ばれる下面発酵ビールに分けられます。上面発酵のビール酵母(Saccharomyces cerevisiae)は発酵中に酵母が表面に浮き、下面発酵のビール酵母(Saccharomyces carlsbergensis)は下に沈むのが特徴。
日本の大手メーカーがつくるビールは、そのほとんどがラガービールです。それも、チェコ発祥のピルスナータイプが圧倒的なシェアを占めています。対して、地ビールは設備の問題と、自分たちの個性を出すという課題の両方から、上面発酵ビールをつくっていることが多いのです。
その代表例が、黒いスタウト。アイルランドを発祥とする上面発酵ビールの一種で、焙燥(熱風乾燥)、あるいは焙煎(ロースト)した麦芽を使っているため、仕上がると黒いビールとなります。地ビールは、その個性によって、「食べ物にあわせて選ぶ楽しみ」があるビールなのです。(F)














