塩(salt)
何種類もの塩が用意されており、食べ比べできる焼肉店も登場
しています。塩で味わいがたしかに変わるのがわかります。
甲斐の武田信玄と越後の上杉謙信の故事に「敵に塩を送る」という話があります。
これには駿河の今川家が絡んでいます。武田家と今川家との仲がこじれ、今川側が武田側に塩を供給するのを止めたのです。海をもたない武田家の窮地を救ったのが、敵対する上杉謙信だったというお話です(たんに交易を禁じていなかっただけだ、という説もあります)。
このエピソードが示すように、塩は古来より、人間の生活の必需品として尊ばれており、塩をどう管理するかが、為政者の関心事でした。これは古今東西を問わず同じ。古代ローマでは、塩を専売品にし、その利益で戦費をまかなっていたそうです。たまに、兵士への給与を塩で支払うことがあり、それがサラリー(salary)の語源となりました。イタリアの都市は、製塩所の近くに建設されたそうです。
塩はヒトが生きていく上で絶対に必要なナトリウムの供給源であるというだけでなく、食材を保存したり、おいしく食べたりする魔法の粉でもありました。古代より地中海では塩漬けの魚が流通し、ローマ人は野菜の苦みを消すために、塩をふって食べたといいます。これがサラダ(salad)の語源です。
もちろん現代人にとっても、塩の重要性は変わりません。また、塩は単なる塩化ナトリウム(Nacl)のカタマリではなく、産地と製法によって微妙に含有する物質が違い、味わいも変わります。紀ノ国屋にはさまざまな国のいろんな塩をご用意していますので、自分の好みと料理にあう塩を見つけてみてはいかがでしょうか。(F)














