夏至と半夏生

おいしい茹でタコは、塩で食べてもおいしい

洋風でもおいしくいただけます。タコのカルパッチョ

関西人なら、真っ先にタコ焼きを思い浮かべるかもしれません

北半球では、もっとも昼の長い1日が夏至です。「100万人のキャンドルナイト」に参加された方も、多いのではないでしょうか。

夏至に比べると、半夏生(はんげしょう)はぐっと無名です。半夏生とは、夏至から数えて11日目(現在の定義では、天球上の黄経100度の点を太陽が通過する日)から七夕までの約5日間をいいます。

中国の暦・二十四節気から名前をとっていますが、これは八十八夜同様に、日本で生まれた雑節。ちょうどこの頃が、日本の農業にとって、とても重要な時期だったのです。

それは、田植えと関係がありました。田植えは夏至を待ってから始め、半夏生が始まる前に済ませてしまうのがいい、とされていたのです。夏至のあと、10日間ほどでやってしまえ、ということですね。

現代の常識からみると、あまりにも田植えの時期が遅い。最初は暦の違いかと思ったのですが、基準点が「夏至」ですから、どの暦を使っても、大きな違いはないはずです。

調べてみると、イネの品種改良が影響している、という説がありました。なるほど説得力があります。イネは明治時代以降、品種改良がさかんに行われ、またその成果が顕著にあらわれている作物です。

単位面積あたりの収量があがると同時に、早生種が増える傾向にあります。夏至が来る前に田植えが済んでしまっているので、半夏生も実感がわかない雑節となったのでしょう。

本来の半夏生は、10日間で必死に田植えをした身体を休めつつ、豊作を祈る時期でした。土地によっても違いますが、タコを食べて豊作を祈る習慣がありました。タコの足のように、しっかり根をはって欲しい、という祈りだったそうです。

しかし、考えてみるとタコは、栄養飲料でおなじみのタウリンを含む食べ物です。疲れた身体をいやすのに、ぴったりの食べ物を選んでいるところに、昔の人の知恵を感じます。きっと実感として、タコで元気になれることを知っていたのでしょうね。(F)