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干しうどん

うどん金沢・鶴一屋のうどん

うどん茹であげると、意外なほどの太麺です

この時期、備蓄しておくと便利なのが、乾麺のうどんです。乾麺は水分を含んでいないため、基本的に腐敗はしませんから、賞味期限をほとんど気にする必要がありません。買いおきしておくと、鍋物をしたときの締めや、ちょっとした昼食や夜食などに活躍します。

うどんは、小麦粉に水と若干の塩を加え、練り上げた生地まんじゅうを、細く延ばしたものです。たったこれだけのことですが、小麦の違い、水と塩の違い、練りかたや寝かせかた、延ばしかたの違いで、個性が生まれます。

「個性」といえば、聴こえがいいのですが、下手をすると「バラつき」にもなってしまいやすい。職人がつくる手打ち麺がおいしいのは、このバラつきを手で感じとり、練る時間を長くしたり、短くしたり、塩を増やしたり、減らしたりして、同じ仕上がりになるように工夫するからです。

うどんが日本で日常的に食べられるようになったのは、江戸時代のことでした。うどんのほうが早く普及し、そのあとに切りソバが登場します。江戸時代前期まで、ソバといえば「そばがき」でした。落語の「時ソバ」は、もともと関西落語の「時うどん」を転用したものです。

延ばしの工程でも、製法に違いがあります。一般的には包丁で切りますが、素麺のようにひたすら延ばしていく製法もある。金沢・鶴一屋のうどんは、包丁で切らずに、手延べで細くし、しっかり乾燥させた逸品。油を使っていませんので、小麦の香りも楽しめます。

手にとった感じは細麺ですが、茹であげてみると、ふくよかな太麺に変わります。その変化ぶりも楽しい乾麺です。(F)