オンライン通販サイトなら紀ノ国屋の e-shop KINOKUNIYA

干し柿

干し柿岐阜県・堂上蜂屋柿

晩秋の日本の風景を代表するのは、傾くのが早い西日と、葉がすっかり落ちた柿の姿。そろそろ、本格的なお正月準備の始まりです。

伝統的なお正月飾りに欠かせないもののひとつに、干し柿があります。産地では11月中旬くらいから干し柿作りが始まっており、年末の出荷に備えているところです。

干し柿は素晴らしい知恵の結晶です。なにしろ、とても甘い。その甘さは砂糖の1.5倍とさえいわれます。しかし、生食して甘い柿、つまり甘柿を干しても、こうはならない。干し柿にするのは渋柿なのです。ここがすごい。

強烈な渋味をもつ渋柿の皮をむき、寒風にさらして干すだけで、とんでもなく甘くなるのです。渋柿が含むタンニン(シブオール)は水溶性であるため、舌の上で渋さを感じさせるのですが、干すとそれが不溶性に変わります。水に溶けなければ、味を感じない。だから干し柿は渋みが抜けているのです。

「柿が赤くなると医者が青くなる」という諺があるように、柿は栄養素も豊富です。柿にはビタミンCが多く、これもまた素晴らしい。世の中にビタミンCが豊富なフルーツは数多くありますが、その中で、酸味がないのは柿だけではないでしょうか。

干し柿の場合、ビタミンCは期待できませんが、カルシウムやビタミンA、そして食物繊維の供給源として優れています。生のままではとても食べられない渋柿が、とても甘くなるうえ、栄養豊富なのですから、最初に渋柿の皮をむいて、干した人の顔を見たくもなるというものです。

砂糖が貴重品だった時代、干し柿はきっと最高のデザートだったでしょう。この甘さが、日本の菓子の基準だという話にも納得です(F)。