新高梨(ニイタカナシ)


新高梨はこんな超大玉もできる品種です。
秋から冬にかけては、バラ科の果物が活躍する季節。代表格がナシ(梨)とリンゴ(林檎)です。いずれも、品種改良によって種類が豊富というのも特色。このあたりは、バラ科の植物の特徴なのかもしれません。バラそのものも、数えきれないほどの品種が生み出されています。
品種によって食べ頃、つまり出荷時期が微妙に違います。ちょうどいま最盛期を迎えているのが、新高梨です。この品種は、「梨の神様」といわれた菊池秋雄氏が、昭和2年に新潟原産の「天の川」と高知原産の「今村秋」を交配してつくったもの。新潟出身×高知出身ということで、新高梨と名づけられました。
この品種の栽培に早くから取り組んだのが高知市針木の農家です。昭和5年には栽培に取り組んだといいます。土壌改良や栽培方法の工夫などのたゆまぬ努力と、高知県の恵まれた気候と清流仁淀川がもたらす夜の涼風により、糖度の高い、素晴らしい新高梨が育まれています。
写真の「まるはり」は、新高梨の普及のために針木地方が取り入れた新ブランドです。20年以上の栽培経験をもつ「新高梨マイスター」が見極めたものだけが、「まるはり」の名で出荷されています。樹上完熟で甘く、大玉になる「まるはり」をお楽しみください。
閑話休題。梨の神様といわれる菊池秋雄氏は、京都大学園芸学教室の初代教授となった人物です。弘前市でリンゴ栽培に功績のあった菊池楯衛氏の長男で、東京帝国大学を卒業後、東京府立園芸学校を経て、神奈川県園芸試験場に勤務。すぐに育種作業にとりかかり、そこで新高梨を含む30種ほどの育種に成功しました。ほかには「菊水」があり、これが後に「幸水」の親となりました。
研究だけでなく、いまも人々に親しまれる果樹と農業を遺したその業績は、「果樹園芸学を学問にした」といわれるほどです。新高梨のかぐわしき香りと驚くような食感に、菊池氏や針木の農家の方々の情熱を味わうのも、この秋の楽しみのひとつでしょう。(F)














