田中トウガラシ
田中トウガラシ=シシトウです。これは辛くありません
辛いのが好きなら、ハラペーニョなどいかがでしょうか。
夏の京野菜の代表が、いくつもあるトウガラシ(唐辛子)です。「唐」の字がついていますが、それは「外国から来た」くらいの意味。トウガラシはナス科の植物で、原産地は南米です。
日本にやってきたのは、信長や秀吉が活躍していた頃です。持ち込んだのはポルトガル人でした。中国ではなく、南蛮からやってきた野菜です。たとえば岐阜県飛騨地方などでは、いまでもトウガラシのことを「南蛮」(なんばん)と呼んでいますが、これはとても正しい呼び方だったのです。
トウガラシにはたくさんの種類があります。辛いものあれば、辛くないものもある。辛くないトウガラシの代表のひとつが、田中トウガラシです。明治時代のはじめに、愛宕郡田中村(現・京都市左京区田中)でつくられていた記録があることから、この名があります。
田中トウガラシは、その先端の形が獅子の口に似ていることから、「獅子とうがらし」と呼ばれました。略してシシトウです。じつは戦後、この品種は歴史が途絶えます。しかし、栽培方法の工夫などで復活してきました。
さまざまな種類があるということは、交雑しやすい、ということです。その中で、単一品種を連綿と作り続ける「伝統」の重みを感じる野菜でもあります。さっと炒めたり、煮つけたりして、かつおぶしやじゃこと一緒に楽しむのが京都流です。(F)














