豆腐
紀ノ国屋の有機豆腐。木綿と絹ごしの2種類
豆腐は、大豆からつくられる加工食品で、植物性タンパク質を豊富に含みます。それゆえに、大陸から製法が伝えられた後は、寺院を支える食材として重要視されました。精進料理に不足しがちなタンパク質を、豆腐料理で補ったのです。
豆腐は大豆を煮てつくった豆乳に、にがりを入れて凝固させたものです。きっと最初は、大豆を煮たあと、塩を入れたことから、この製法にたどりついたのではないでしょうか。天然の塩、とくに海水からつくった塩はにがり成分を含むからです。
日本には遣唐使が伝えた説が有力です。僧侶が伝えたことは間違いがないでしょう。冒頭に書きましたように、そして寺院の食材として重宝されました。
これを庶民も食べるようになったのは、江戸時代の中期からだそうです。徳川家康の頃には、豆腐は「ぜいたく品だ」として、庶民が作って食べるのを禁じていたとか。
それが解禁されると、またたく間に人気の食材となり、工夫を重ねるようになりました。凄いのは、1782年(天明2年)に出版された『豆腐百珍』という書物。なんと、書名の通り、100種類の豆腐料理が紹介されています。フランス革命が起きる7年も前のお話です。
いくつも種類がありますが、やはり基本は木綿(もめん)豆腐と絹ごし豆腐。木綿豆腐は木綿の布を敷いた箱型に流し込んでつくります。箱型には三方に穴があいており、水分を切りながらつくる豆腐です。表面に布目がつくのはこのせいです。
絹ごし豆腐は、穴のあいていない箱型に流し込んで、水を切らずにつくります(あらかじめ豆乳を濃くしておきます)。絹を使うわけではなく、木綿豆腐に比べてなめらかなことからつけられた名前です。(F)














