超エリート

野菜は植物界の超エリートたち

アブラナ。その仲間が野菜として大活躍

「万にひとつ」という言い方をすることがあります。「1万分の1」という意味ですが、新緑が美しいこの時期の野山を見ていると、日頃なにげなく食べている野菜が、まさに「万にひとつ」だな、と思うことがあります。

野山にわけいって、どれくらい「食べられるもの」を見つけることができるでしょうか。目に入るほとんどのものが、食べてもおいしくないか、おいしくても有毒です。無害どころか、栄養があっておいしい植物などというのは、まず見かけることができません。

植物学関係の書物をひもとくと、地球上には20万種‐30万種の植物が数えられています。数え方を変えると、250万種くらいになるそうです。

一方で、日頃からなじみのある野菜は20種から30種というところでしょう。よく、人類史では道具を使いこなし、火を発見したことが重要な出来事として語られますが、「野菜の発見」もぜひそれにつけ加えてもらいたいものだと思います。

南米アンデス原産だったり、中央アジア原産だったり、エジプト原産だったりする野菜が、世界中に普及していることをみても、野菜のエリートぶりがわかります。

ジャガイモやサツマイモ、ソバの歴史が象徴するように、その手土産は、その地の人々を飢えから救うものだったりしたわけですから、「おいしい野菜」は信じられないほど貴重な存在で、それゆえに古くから世界中を旅したに違いないのです。

いろいろな野菜がありますが、植物学的にみると、特定の科に集中しています。アブラナ科、ナス科、マメ科、キク科、ウリ科あたりがエリート中のエリートで、これだけでほぼ日常の野菜をカバーします。

なかでもアブラナ科は種類も多く、カラシナ、タカナ、カリフラワー、キャベツ、メキャベツ、ブロッコリー、チンゲンサイ、ノザワナ、ミズナ、ハクサイ、コマツナ、カブ、ケール、クレソン、クレス、ダイコン、ハツカダイコン、ルッコラ、ワサビ、ホースラディッシュはすべてアブラナ科です。

一方、果樹ではバラ科が活躍しています。イチゴ、リンゴ、ナシ、アンズ、サクランボ、ウメ、スモモ、ビワ、モモなどがバラ科です。

野菜・果樹は超エリートです。くれぐれも、野山にわけいったときは、そのことを忘れず、しっかり観察して採取してください。おいしく食べられるものは、「万にひとつ」なのです。(F)

間違えやすい山菜

山菜

よく似た毒草

ニラ

スイセン

ニリンソウ

トリカブト

モロヘイヤ

チョウセンアサガオ

ギョウジャニンニク

イヌサフラン

シャク

ドクニンジン

ヨモギ

フクジュソウ

セリ

ドクゼリ

ギボウシ

バイケイソウ