骨付きハム

インターナショナル(青山店)には、写真のようにできたての骨付きハムをご提供するコーナーがあります。私はこれを見た瞬間、逆に「ボンレスハム」を理解しました。そうか、Bone(骨)がないハムだったのか、と。わざわざ「骨抜きハム」に名称がつくくらいですから、本来、ハムは骨付きのまま作るものです。
『「塩」の世界史』(マーク・カーランスキー著、扶桑社)によりますと、世界で最初に肉や魚を塩漬けで保存したのはエジプト人のようですが、エジプト人は豚を食べなかったため、ハムを発明できなかったのではないかといいます。
かわってイノシシや豚を塩漬けにし、ハムを作りだしたのはケルト人でした。塩漬けにすると、塩が微生物を殺し、生肉のタンパク質を分解し、加熱するのと同じ効果を生み出します。人類は塩を使いこなせるようになって、加工食品を生み出したのです(当時の塩は硝酸も含んでおり、ハム作りに向いているものだったようです)。
以後、ハム作りはヨーロッパ各地で盛んになりました。製法も工夫され、塩漬けにした肉を湯煮し、燻煙する方法が定着しました。一方、生ハムは湯煮のような加熱工程のないハムですが、その代わり、長期間の塩漬けで食品としての安全性を確保したうえで、肉の旨味を引き出しています。たんに保存するだけでなく、おいしくしてしまうのですから、素晴らしい知恵ですね。(F)














