umami
能登のあごだし。料亭でも使われる上品なダシがとれます。
おいしさの核心は、タンパク質が分解されてできるアミノ酸です。昆布からグルタミン酸が抽出された話は有名ですが、このグルタミン酸が、アミノ酸の一種です。ほかにも、煮干しからイノシン酸、干し椎茸からグアニル酸などが、「うま味」の主成分として発見されています。
こうした「うま味」の存在に早くから気がついていたのは日本人です。欧米の学者は否定的だったのですが、最近になって、舌の味蕾(みらい)にグルタミン酸受容体があることが発見され、「味」のひとつとして科学的に認知されるようになりました。そのため、国際的にもumamiという名前で呼ばれています。
これは私の仮説ですが、人間の舌はよくできていて、「身体に必要なもの」を「おいしい」と認知しているように思います。アミノ酸もそうですし、甘いものや脂質、炭水化物などをおいしいと思うのもそうでしょう。すぐエネルギーになるものを欲し、たくさん摂取できるように仕組まれているのではないでしょうか。
人間には知恵があり、umamiを効率よく手にできるように工夫してきた輝かしい歴史があります。その方法論は大別して三つ。第一は、干すことでタンパク質をアミノ酸に分解し、ダシにする方法。第二は、発酵させてダシにする方法。そして第三は、塩漬けにして熟成させる方法です。それぞれ、昆布やカツオブシ、しょっつるやニョクマム(ナンプラー)、ベーコンや生ハムなどを例として挙げられます。
昆布やカツオブシ、煮干し、あるいは干し椎茸ほど有名ではありませんが、あご(飛魚。関連コラム)も干すことで、良質なタンパク質がアミノ酸に分解され、いいダシとなります。使い方は煮干しと同じ。水から入れ、弱火にかけ、沸騰したらアクをとり、最後に漉します。
ちょっとしたひと手間で、ぐっとお料理がおいしくなるうえ、添加物の心配もありません。なにより、これをおいしいと思うということは、きっと身体が欲しているのです。夜のうちに水に漬けておくなどして、ダシを常備してみてはどうでしょうか。(F)












