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朝の保々湾

日本海に浮かぶ隠岐諸島。島根半島の北方約50kmに位置する。縄文時代前期から人が住み着いた豊かな島々だ。古くから、大陸とも本土とも交流が盛んであったことは想像に難くない。後鳥羽上皇や後醍醐天皇が流された島としても、有名である。


とくに恵まれているのは、海の幸だ。しかし、隠岐は残念ながら、ハンディキャップを背負っている。水揚げした魚介類を「お金」にかえるには、いったん本土側の港、たとえば鳥取県の境港などに運ばなくてはならない。船で運べば燃料代がかさみ、トラックで運べば鮮度が落ち、値が安くなる。
「こんなにおいしいのに、もっとどうにかならないのか」と立ち上がったのは、海士町(あまちょう)の人たちだった。株式会社ふるさと海士の誕生である。


流れる水は凍らない

課題は、本土の港を通さず、海の幸をビジネスとすることである。「新鮮なまま市場へ、いや、お客さまのもとへ運ぶこと」ができれば、その手段はなんでもよい。彼らが活路を見いだしたのは、CAS冷凍という新技術だった。


この技術は、まさにフレッシュなまま、海の幸を運ぶ技術だ。通常の冷凍だと、ゆっくり表面から冷えていく間に細胞がこわれ、本来の風味や食感が損なわれやすいが、CAS冷凍は違う。言われなければ、冷凍されたこともわからないほどの仕上がりだ。


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透明感の残るお刺身です

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(株)ふるさと海士の奥田和司氏

CAS冷凍は「流れる水は凍らない」という事実を利用した冷凍方法である。急速冷凍室に入れた魚介類にエネルギーを与えて振動させてやると、凍らないまま、芯の芯まで冷える。そこで振動を止めてやると、イッキに凍るのだ。CASはCell Alive System(細胞が生きたシステム)の略だという。


「とれたての白イカは、こんなに透明なんです。時間の経過とともに、どんどん白くなり、味わいが変わっていきますが、CAS冷凍なら、透明感の残るイカをお届けできます」(ふるさと海士/社長補佐役の奥田和司氏)


山陰地方でお刺身用のイカとして、最も人気の高い白イカ。その白イカを最も新鮮な状態で食べることができるのが、このCAS冷凍の白イカかもしれない。隠岐の海の香りと、人々の気持ちも一緒に届く冷凍便だ。


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CAS凍結の白イカ(ふるさと海士)

アイテムデータ参照

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とれたてのイカはこんなに透明